07/09 (金)更新
外国人の採用動向と具体的な採用フローを大公開!
近年外国人採用に興味を持つ日本企業は増えていますが、日本人採用との違いがわからず不安を感じることも少なくないようです。
『外国人を採用してみたいが、気になる要素が多いので採用に踏み切れない…』
『採用のフローは日本人と同じで大丈夫なのかな…』
国内の外国人人材の採用の増加に伴って、そんな心配を抱えている企業様の数も増加しています。
そんな企業の採用担当者様に見て頂きたい、日本の企業の外国人の採用の推移と具体的な採用について説明していきます。
国内外の外国人採用動向
企業の外国人の求人方法は大きく2つに分けられます。
1つは日本国内で既に在留している外国人に向けてのの求人です。
2つ目の求人は海外にいる人材を日本に呼び寄せる求人です。
国内の外国人に向けた求人は日本人を雇用する際のフローとあまり変わりませんが、海外の外国人を雇う場合は現地の人材を囲っている「送り出し機関」「人材会社」「大学・専門学校」等に依頼して日本に呼び寄せる方法を取ります。
日本国内での外国人求人動向
日本国内で外国人を求人する場合には、既に在留している外国人を採用する「中途採用」と、日本に勉強しに来ている外国人留学生を雇う「新卒留学生採用」があります。
企業は「グローバル化」や「人員確保」を目的として外国人留学生を新卒採用する企業は年々増えています。
「2020年卒マイナビ企業新卒内定状況調査」によると、日本の上場企業の約20%が「外国人留学生を採用した」と回答し、上場企業の約15%は「留学生の採用活動はしたが、採用できなかった」と回答しています。
つまり、上場企業の約3分の1が積極的に外国人を求人を行っているのです。
国内の中途採用枠の「高度人材」の分野では、流暢な日本語を話せる者が多く、高い技能的な経験を積んでいる人材がいるので即戦力として活発に採用している企業が増えており、国内の外国人人材を対象としたサービスも急増しております。
また優秀な海外人材の獲得競争により、欲しい人材を手に入れるのが困難になっています。
その一方で国内の「技能実習」「特定技能」の分野では、「高度人材」と同じく日本語も流暢で、技能的な経験を積んでいる人材が多いものの、在留資格に該当している業種がコロナ禍の影響により業績が悪化している所が多いので、人手が欲しくても受け入れる事が出来ないので、職を失ってもし就職が非常に難しくなっている現状があります。
海外での外国人求人動向
「高度人材」の技術能力の高い人材が欲しい場合、日本語能力よりも技術力重視で採用をすすめる企業が非常に多くいます。
国内の外国人人材を採用するよりも、海外の工科大学等の学生を直接採用すれば日本国内での人材争奪戦を回避できます。
(画像)
厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめで見ると、コロナ禍以前まで「高度人材」は対前年度増減比で毎年約20%増えていおり、この事から日本の「グローバル化」「技術発展」の為に需要が非常に高まっている事が分かります。
年度別の増加数でみると、平成28年度は約2万7000人増加、平成29年度は約3万2000人増加、平成30年度は約3万3000人増加、令和元年は約4万6000人増加となっています。
しかし、高度人材の増加数は国内新卒留学生の就職数とは比例していません。
日本は外国人留学生の日本での就労に非常に力を入れておりますが、この上記の外国人の就労人数のうち、外国人留学生は約30%程を占めています。
このことから、高度人材の増加の多くが日本国外からの直接採用だとわかります。
また「技能実習」「特定技能」の分野も採用のほとんどが、海外からの採用であると言われています。
その理由は国内にいる「技能実習」「特定技能」の在留資格を取得している外国人の人材を雇う事が難しい事に起因しています。
まず「技能実習」「特定技能」の外国人人材達は、いかなる理由であれ、一度仕事を辞めてしまうと在留期間が90日に変更になります。
つまり90日以内に新たな仕事を見つけなければ、日本から出ていかなければならないのです。
『90日の期間があるなら見つかるんじゃないの?』こう考えられる方も多くいらっしゃると思いますが日本人の就職と、外国人の就職では難しさが全く違うのです。
まず外国人の人材は、取得している在留資格以外の職に就労する事は原則として出来ません。
なので、そもそもの人手を募集している企業に限りがあります。
また外国人が在留資格を取得して、就労の為に外国から日本に来日する場合は「監理団体」「登録支援機関」の援助を受けて働く場合がほとんどです。
そして何等かの理由により、外国人が職を失った場合には「監理団体」「登録支援機関」が再就職の手配をする事が決められています。
ただこの「監理団体」「登録支援機関」が手配する場合でも、コロナ禍の影響により海外からの人材が日本への入国に制限がかかっている状態なので、国内の人材に順番が回ってくるのに時間が掛かってしまいます。
この順番待ちをしている間に、90日の在留期間が切れてしまうので職に就けずに帰国してしまうのです。
この理由から日本にている「技能実習」「特定技能」の人材の多くは、海外からの受け入れによるものが非常に多いと言えます。
外国人を採用する方法
外国人の募集方法は一見ややこしいように感じますが、募集方法自体は日本人の採用と特段変わりません。
また外国人労働者の増加によって色々な採用方法が増えていますので、採用活動に役立つ募集方法をご紹介していきます。
大学・専門学校を通した採用
海外の大学・専門学校や日本の外国人留学生がいる場所に直接出向いて採用する方法です。
若手の優秀な人材を確保するのに確実な方法ではありますが、手間と時間がかかります。
また他の方法に比べて、日本語学校や大学、専門学校に行って採用したい学生を探すため、ピンポイントに欲しい人材がすぐには見つけられないという欠点があります。
日本語能力や技術スキルは実際に外国人の学生と対面して、確認しなければなりません。
採用ポータルサイトの活用
外国人に特化したポータルサイトに求人広告を掲載する方法です。
自社の求人広告を掲載する事で、国内外問わずに幅広い外国人にアプローチする事が出来ます。
職種や国籍毎に特化したサイトも存在するため、企業の欲しい人材に絞った募集が可能です。
ヘッドハンティングの活用
採用コンサルタントや現地の大学や専門学校の人脈を活用して、希望の技術やスキルを保有している人材をピックアップ後、直接スカウトする方法です。
今まではごく一部の優秀な層に対して、多く用いられる手法でしたが、近年では人材不足を背景に、幅広い職種、ポジションの採用に活用されています。
リファーラル採用
会社のことをよく知っている社員が友達の中で勤めている会社に適する人材を推薦する採用方法です。
特にアメリカでは、85%の企業が実際にリファーラル採用を利用しているというデータもあるので非常に有効的な手段といえます。
既に働いている社員からの紹介なので、採用コストがかからず、働く外国人も会社情報や雰囲気等を把握しているので、ミスマッチがおきづらいなどのメリットがあります。
またリファーラル採用では、定着率アップやニッチなスキルを持つ人材を確保できるメリットもあります。
SNSを活用した採用
採用サービスを利用せず、企業が直接人材に対してアプローチを行う採用方法です。
昨今ではSNSは、ほぼ全ての若者が使用しているツールです。
Facebook、LinkedIn、WantedlyのようなSNSは、海外でも転職活動に利用されているため、海外人材の採用にも有効な手法の一つです。
自社でもSNSのアカウントを運用している場合には、外国人の人材達も事前に会社の情報や雰囲気が把握出来る為、アプローチしやすい方法の一つです。
人材紹介会社の活用
外国人に特化した人材紹介会社や監理団体・登録支援機関を活用した採用方法です。
自社が求める外国人人材の紹介や、就労ビザ申請を始めとする専門的な手続き、海外在住の人材探しなど、専門的なサポートを受けられます。
語学力や持っているスキルなどに合わせて適切な人材を紹介するサービスということもあり、採用の実務を少なくして優秀な人材を確保できます。
また「技能実習」や「特定技能」の外国人人材を採用する場合は、監理団体や登録支援機関を通した採用フローになります。
その場合は採用後も監理団体や登録支援機関が企業・外国人共にお互いがよりよく働けるようにサポートしています。
SELECTでは人材会社や監理団体・登録支援機関とも提携しているので、採用活動にお悩みの企業様は是非お問合せ下さい。
希望するスキルや人物像にピッタリの人材をご紹介致します。
外国人の雇用のフローとは?
外国人を雇用するためには、通常の採用フローの他にビザの手続きが必要です。
外国人採用の方法や具体的な流れについて、このようになります。
(画像 雇用の流れ)
外国人人材の募集
まずは、日本人の採用と同じく募集をして履歴書等の確認により、人材を選定します。
前述で例にあげたような方法で外国人の募集を行います。
応募が集まったら、採用決定に向けて選考を進めていきます。
最近では面接前に履歴書や動画によって、外国人の人となりを詳しく把握出来ますので、依頼先へ確認してみましょう。
外国人人材の面接
面接では、日本人にも質問するような内容の他に、日本で働きたい理由や今後の展望、帰国予定などについても確認しておくといいでしょう。
また、条件面は初回ではっきりと伝えておくこと、会話のやりとりを通して日本語スキルを測ることも大切です。
一緒に働く仲間となるので、気になる所は事前に質問しておきましょう。
在留資格・就労ビザの確認
在留資格や就労ビザの取得見込みについては、採用する人材を決定する前に確認しておきましょう。
就労ビザは、種類によっては学歴や取得の為の試験があり、それを満たしていないと日本で働くことができません。
しっかりした手続きを行わなければ、採用を決定してからビザが降りないことがわかると、選考の手間が無駄になってしまいます。
募集職種に必要なビザとその取得要件、応募者に取得見込みがあるかどうかは、早い段階で確認するのがいいでしょう。
内定・雇用契約書作成
採用したい外国人人材が決定したら、内定を出し、雇用契約書を作成します。
日本人の採用の場合、通常であれば雇用契約書は作成しませんが、外国人は契約書の内容を重視して働くことが多いため、用意した方が後のトラブルを防げます。
また、この雇用契約書は次の就労ビザ申請でも必要になります。
受け入れ体制作り
既存の社員に外国人が入社することを周知し、特に直属の上司や指導係になる人は、外国人とのコミュニケーション方法を学んでおいた方がいいでしょう。
また、外国人向けの仕事マニュアルや、社内掲示の外国語表記なども、受け入れ準備の一部です。
お互いが円満にストレスなく働く事が出来る為にも、事前の受け入れ準備は万全に整えておきましょう。
就労資格がない外国人を働かせたり、実際の職種と就労ビザの種類が違ったりすると、不法就労になってしまいます。
そうなると、外国人は最悪の場合退去強制、雇用していた事業者側も刑罰が科せられますので十分に注意しましょう。
まとめ
日本企業の「人手不足」や「グローバル化」によって、外国人の社員雇用は年々当たり前になっています。
今後もこの動きは加速していく見込みになります。
この外国人の人材獲得競争に遅れを取らない為にも、企業の採用担当者は外国人の採用フローをしっかりと確立していかなければなりません。
最近では「Instagram」や「Twitter」「Tik tok」にて自社のPRをしている企業も非常に増えてきています。
自社のPRや採用活用の一貫としてSNSアカウントの運用を検討してみてはいかがでしょうか?
そして年々外国人労働者が増えるのに比例してトラブルの数も増えています。
よくあるケースとして悪気がなくても、文化の違いから日本人と外国人の間に溝ができて、人間関係が悪くなってしまうことがあります。
外国人・日本人共に悪い点はあるとは思いますが、時代の流れに合わせて日本人は意識を改変していかなけばなりません。
研修や社内イベントなどを通して、地道に相互理解を深めていくよう努める事が大事だと思います。
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