03/30 (火)更新
知らないと怖い!外国人の雇用の注意すべき点
日本の若い労働力人口の減少に伴い外国人雇用の政策が進んでいます。
新しい在留資格が新設されたりと、若くて即戦力の人材が獲得できるとあって企業側も採用しているところが増えてきました。
今後人手不足の企業は解決するために外国人労働者を採用することは不可欠になってくるでしょう。
しかし外国人を雇用するにあたって注意点もありますので、この記事で解説していきたいと思います。
外国人の雇用の注意点
外国人を募集する場合、次のような方法があります。
・ハローワークの活用
・紹介/派遣サービスの利用
・求人媒体への掲載
求人媒体を活用する際は「媒体選び」に注意しましょう。
日本人向けの登録者数が多い媒体を利用する方法もありますが、中には「外国人専用の媒体」や「バイリンガル、グローバル人材に特化した媒体」もあります。
媒体を選ぶ一つの指針となるのが、外国人に求める「日本語レベル」です。
・日常的なコミュニケーションがとれる程度でいい。
・英語や中国語など、日本語以外の言語に特化した業務を任せたいため、日本語は必要ない。
「日本語が読めなくても支障がない業務を任せたい」にもかかわらず「日本語にしか対応していない採用媒体」に掲載するのは非効率的です。
日本語能力を求めない場合、日本人向けの媒体ではなく、外国人向けの媒体に登録すると採用しやすいかもしれません。
媒体によっては、英語だけでなく多言語に対応している求人サイトもあります。
特に、近年は、中国、ベトナムからの留学生が増えています。出身国(地域)別留学生数では、中国・ベトナムの留学生を合わせると、全留学生に占める割合は「62.6%」に登ります。
こうした人材を狙って採用したい場合は、採用媒体の言語対応に注意してみると良いでしょう。
在留資格の確認
まずは、雇用者が持つ在留資格と、採用予定の仕事内容・職種がマッチするかを確認しましょう。異なる場合は、該当する在留資格に変更する手続きを行わなければいけません。
在留資格を確認するためには、その方が持つ、在留カードを見せてもらいましょう。在留カードとは、日本に滞在している外国人に発行される身分証明証です。氏名、生年月日、国籍、在留資格・在留期限が記載されています。
なお、就労を認められていることを証明するためには「就労資格証明書」を提示してもらう方法もあります。この証明書には、在留資格と在留期限が記載されています。
雇用対象者が国外にいる場合は?
雇用対象者が国外にいる場合は、その人のこれまでの経歴で在留資格が取得できるかどうか、要件の確認を細かくする必要があります。場合によっては入国管理局に直接問い合わせをする必要があるかもしれません。
在留資格取得のために行政書士や弁護士がサービスを提供している場合もありますが、もし人材紹介会社を通している場合は、ノウハウを持つ会社に聞いてみるのも一つの方法でしょう。
在留資格に定められた範囲で就労が認められる在留資格
在留資格 | 具体例 |
---|---|
外交 | 外国政府の大使、公使、総領事 |
公用 | 外国政府の大使館、領事館の職員 |
教授 | 大学教授等 |
芸術 | 作曲家、画家、著述家 |
宗教 | 宣教師 |
報道 | 外国の報道機関の記者、カメラマン |
高度専門職 | ポイント制による高度人材 |
経営・管理 | 企業等の経営者・管理者 |
法律・会計業務 | 弁護士、公認会計士等 |
医療 | 医師、歯科医師、看護師 |
研究 | 政府関係機関や私企業等の研究者 |
教育 | 中学校・高等学校等の語学教師等 |
技術 ・人文知識 ・国際業務 | 機械工学等の技術者、通訳、デザイナー、私企業の語学教師、マーケティング業務従事者等 |
企業内転勤 | 外国の事業所からの転勤者 |
介護 | 介護福祉士 |
興行 | 俳優、歌手、ダンサー、プロスポーツ選手等 |
技能 | 外国料理の調理師、スポーツ指導者、航空機の操縦者、貴金属等の加工職人等 |
特定技能 | 特定産業分野での就労が可能。 |
技能実習 | 技能実習生 |
言葉・習慣について
当然のことですが、外国人は日本人と異なった文化、習慣、言語を持っています。
特に言語の違いは、コミュニケーションをとる上で大きな課題です。
ある程度日本語能力のある外国人を雇用するか、雇用したあと日本語教育を受けられるよう十分な配慮をすることも必要です。
特に注意すべき点は、日本人の価値観を押し付けるような言動は、慎まなければならないということです。
外国人は、自分の国の価値観や文化に誇りを持っています。
日本人が価値観を押し付けるということは、彼らの価値観や文化を否定することにつながります。
相互の違いを前提としつつも、相手の言い分に耳を傾け、一定のルールのもと、職務を遂行するといった姿勢が必要です。
実際に話して見極めることも大切
日本語レベルの確認では日本語能力試験が参考になりますが、信頼しきるのではなく、面接で実際に話してみて日本語レベルを見極めることも大切です。
日本語能力試験ではN1やN2を持ち、面接の練習を行うことである程度の受け答えはスムーズでも、日常会話は意外に話せないということもあります。
また、日本語能力試験は受けていないものの独学で日常会話が話せるというケースもあります。自社で仕事をしてもらうに当たり、どの程度の日本語レベルを求めるのかを明確にした上で見極めましょう。
社内体制の整備
外国人労働者を受け入れる社内体制の整備も必要です。採用した外国人が日本語を話せたとしても、文化も言語も違う国で働くことはとても大変なことでしょう。
社内で積極的にコミュニケーションをとること、上司は定期的な面談をするなどの気遣いが重要です。
外国人を雇用する際に、手続きに対して不安を抱く方が多いようですが、手続き自体はそれほど大変ではなく、むしろ雇用後のフォローのほうが大変ではという意見もあります。せっかく採用した人材の能力を最大限に活かすためにも、社内体制の整備は必須と言えるでしょう。
育成の環境を整える
社内体制を整える中でも、外国人労働者の育成をスムーズに進められる環境の整備が重要です。
例えば、日本人には馴染み深い業務マニュアルをほとんど見たこともない外国人労働者は多く、単に言語を変えたものを用意しただけでは効率よく仕事を覚えられない可能性があります。動画を用いて分かりやすくしたマニュアルを用意することは有効で、ゲーミフィケーションの要素も入れるなど「楽しく覚えられる」工夫を取り入れることが大切です。
労働条件や職場のルール、日本のマナーについてきちんと理解してもらうことも重要です。最初にきちんと理解してもらわなければ、本人にそのつもりはなくても、無用なトラブルに発展することもあります。
また、外国人労働者と日本人社員が交流できる時間を設け、互いの文化について理解できるようにすることも有効です。コミュニケーションの時間を設けることで外国人労働者の日本文化に対する理解が早くなり、またお互いを理解することで業務の活性化にもつながります。
外国人の雇用の注意点まとめ
外国人雇用に関する注意点をまとめてみましたが、ここには書ききれない注意点も数多く存在します。
企業の人事担当の方で外国人雇用を検討される方は、不明な点などご相談は是非SELECTにお問い合わせ下さい。
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