07/16 (金)更新
特定活動ビザとは?就労ビザとの違いを解説!
特定活動ビザとは、「特定活動」の在留資格のことです。
外国人の日本における活動は多種多様で、既存の在留資格にすべての活動を当てはめることはできません。
特定活動ビザはこうした「活動に対して付与される一般的な在留資格に収まりきらない」活動の受け皿となっており、日本企業が若くて優秀な外国人材を採用する仕組みづくり進めるなか、非常に注目されている在留資格です。
日本で働くためには「就労ビザ」と呼ばれるものか、「特定活動ビザ」と呼ばれるもののいずれかを取得する必要があります。
今回は「特定活動ビザ」を取得するために満たさなければならない条件や申請方法、「就労ビザ」との違いについてご紹介します。
特定活動ビザとは?
特定活動ビザとは、在留資格「特定活動」のことを指し、日本で許される活動の内容について出入国管理及び難民認定法(入管法)の別表第一の五の表により、「法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動」と定義されています。
外国人が日本で仕事をするには就労ビザと呼ばれる、就労を許可された在留資格が必要です。
就労ビザは一般的に「技能実習生」「特定技能」「高度人材」等の種類があり、資格毎に日本で許される就労活動内容や在留期間が定められています。
どれだけ優秀な技能や才能を持っており、日本に有益な人物でも既存の就労ビザの職種以外の仕事をしている外国人は日本で働く事が出来ませんでした。
そこで登場するのが「特定活動ビザ」です。
「特定活動ビザ」は「就労ビザ」のように、その活動内容が定められていません。
「特定活動ビザ」では「就労ビザ」で指定されていない就労目的に対しても在留資格を与えることができるため、より多くの外国人が日本で働く機会が得られるしくみになっています。
特定活動ビザの在留期間は?
特定活動ビザの在留期間は最長5年間と定められています。
コロナウイルスの影響
新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、本国の帰国が困難な外国人については柔軟な対応がなされています。
技能実習、留学等で在留している外国人に対して、保有している在留期間が満期になった場合でも、特定活動として在留資格を6か月許可されています。
また、在留期間の満了日が3月〜7月にあたる在留外国人については、3ヶ月間延長されました。
在留資格変更許可申請、更新許可申請の受領期間も、3ヶ月に延長されています。
特定活動ビザの種類
厳密な活動内容が定められていない中でも、特定活動ビザとして認められる活動には3つの種類があります。
法定特定活動
法定特定活動は、法で定められた活動のことで、特定研究等活動、特定情報処理活動及びその家族滞在活動にあたります。
特定研究等活動、特定情報処理活動は、どちらも法務大臣が指定する国内の公私の機関に所属しなければなりません。
ただし、現在は入管法の改正で高度専門職という在留資格が創設され、これらの在留資格は、高度専門職に新しく分類されました。
告示外特別活動
告示外特定活動とは、告示には定められていないものの、法務大臣が個々の事情により特に指定した活動です。
他の在留資格に該当しない、告示特定活動にも該当しない活動です。
そのため、活動一つずつに対しても法務大臣が上陸・在留を認めて特定活動としています。
代表的なものに、就職活動中、出国準備中、連れ親・連れ子の扶養、難民認定申請者などがあります。
たとえ前例がなくても事情によっては告示外特定活動として認められる可能性も大いにあります。
告示特別活動
入管法では活動等が示されていない特定活動ですが、法務大臣があらかじめ告示をもって定める活動があります。
例に出すと「ワーキングホリデー」「アマチュアスポーツ選手」「国際文化交流」「医療滞在」等が上げられます。
観光保養等を目的とする長期滞在者や、二国間の経済連携協定の適用を受ける人材受け入れも告示特定活動です。
特定活動ビザの取得条件
特定活動ビザを取得するには、日本でどのような特定活動をするのかによって、条件や提出する書類が変わってきます。
例えば、日本の大学を卒業した留学生が卒業後に「就職活動」を行うことを希望する場合では、在留資格変更許可申請書をはじめとした申請書に加えて、在学していた大学の卒業証書や大学からの継続集力活動についての推薦状などが必要となってきます。
告示特定活動であれば、在留資格認定証明書が交付されますが、告示外特定活動では在留資格証明書が交付されません。
告示特定活動の場合は他の在留資格同様に入国前に申請できますが、告示外特定活動では入国後に変更申請しなければなりません。
証明書は発効日から3ヶ月以内のもの
入国前に特定活動の在留許可を得るには、在留資格認定証明書を入国前に入手しなければなりません。
他の在留資格においても同様ですが、在留資格認定証明書は発効日から3ヶ月を過ぎると無効となります。
地方出入国管理局での審査期間は10日から40日かかりますし、在外公館でのビザ申請も2日~5日程の期間がかかります。
必要書類の準備も含めて、申請から入国までの手続きを計画的に進める必要があるでしょう。
地方出入国在留管理官に申請書提出
必要書類が準備できたら、申請書を作成し、代理人等を通して地方出入国在留管理官に提出します。審査後、代理人等が在留資格認定証明書を受領し、申請人に送付してもらいます。
在留資格認定証明書をもって、在外公館にてビザを申請して、ビザの受領後入国しますが、在留資格認定証明書の期限に注意しましょう。
入国して在留カードを受け取りますが、ここまでは他の在留資格と同じ流れになります。特定活動については、指定書というものが交付されます。
特定技能ビザから就労ビザへの変更方法
特定活動から就労への変更方法は、就労に係る在留資格の条件を満して初めて許可されます。
例えば「高度人材」の在留資格のうち、技術類型に関しては、必ず理科系の大学等を卒業していなければなりません。
文化系の大学等を卒業したからとって、技術類型の技術・人文知識・国際業務の在留資格は該当にはなりません。
しっかりと在留資格の業種に適合する、知識や技術を学んでいる必要があります。
また在留資格に適合する知識や技術を学んでいたとしても、就労ビザが下りない場合もあるので、ご説明していきます。
在留資格が定めている就職条件を満たす
特定活動から就労への変更方法は、他の変更申請と同じですが、就職が決まったからといって、無条件で許可されるわけではありません。
就職先の業務内容も就労に係る在留資格の条件を満たす必要があります。
例えば「高度人材」の在留資格のうち、英語の教職に就労出来る資格を持つ外国人の留学生が、全く違う電子機器のエンジニア職として働く事は出来ません。
大学では教職になる為の勉強をしており、日本政府もその人が教師として日本に有益になると認めて日本に在留する事を許可したものになるので異なる職業に就く事は出来ません。
技術・人文知識の場合
「高度人材」の在留資格の中には、技術・人文知識・国際業務の3つの役割が設けられています。
この3つの分類別に就ける職業が異なってくると同時に、特定活動ビザから就労ビザへの変更基準も変わってきます。
技術・人文知識の活動とは、『理学、工学その他の自然科学の分野若しくは法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務』です。
これに必要な技術または知識を修得していなければなりません。
4年生の大学等を卒業していることが条件になる場合がありますが、この4年生の大学等とは、大学、大学院、そして短大も含まれます。
大学や専門学校を卒業していなくても、10年以上の実務経験があれば、これに該当します。
国際業務の場合
国際業務は「翻訳、通訳、語学の指導、広報、宣伝又は海外取引業務、服飾若しくは室内装飾に係るデザイン、商品開発その他これらに類似する業務」です。
これらの関連する業務についての実務が3年以上ある場合に該当します。
ただ大学を卒業していれば、翻訳、通訳又は語学の指導については、3年以上の実務は必要ありません。
この時の専門学校の取り扱いについては、専門学校での修得内容が翻訳、通訳、語学の指導の業務に関連すると認められれば、該当します。
また技術・人文知識・国際業務の在留資格の基準には、日本人が従事するのと同等額以上の報酬が条件になりますので注意しましょう。
資格変更の手続き
特定技能ビザから就労ビザに変更するには手続きが必要です。
在留資格の変更手続きには、在留資格変更許可申請書を含むいくつかの資料を地方出入国在留管理官署に提出・提示する必要があります。
変更手続き後の在留期間は6ヶ月と定められていますが、もし6ヶ月で就職先が決まらなくても、卒業後から1年まで延長することができます。
一点注意しなければならないのが、特定活動ビザを所持していたから、必ず就労ビザが認定されるという訳ではないのです。
上記で説明した通り、自分の経歴や技術に沿った働き方をしなければ申請は通りにくくなります。
まとめ
今回は特定活動ビザについてや、就労ビザとの関係性についてご紹介しました。
特定活動ビザは主には留学生が取得する事が多いです。
留学生が日本の大学を卒業して、就職するまでの間はこの特定活動ビザの扱いになります。
企業の採用担当者は外国人を雇用する前に、外国人の在留資格がどのような状態なのかをしっかり把握しておきましょう。
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