03/29 (月)更新
高度人材ポイント制とは?雇用の仕方まで解説
少子高齢化にともない日本の労働人口が減少する中で、日本の政策として外国人労働者の受け入れを新しい制度を作ったりと積極的に動いている現状です。
企業側も若くて即戦力になる人材は求めており、年々外国人労働者の採用も増加しています。
様々な制度が新設せれていますが、専門性の高い優良な外国人に、出入国管理上の優遇措置を与える「高度人材ポイント制」というものがあるのをご存知でしょうか?
「高度外国人材」とは、簡単に言うと「日本で活躍してもらいたい、高度なスキルや経験を有する優秀な外国の方」のことです。
具体的には、外国の優良企業の経営者、研究成果を出している研究者、大きな実績のある業界人、高度な技術者、高学歴の有望な人材などが挙げられます。
この記事では日本の企業なら知っておきたい高度人材ポイント制について説明していきたいと思います。
高度人材ポイント制度とは
高度人材ポイント制度では、優秀な外国人を「高度外国人材」と呼んでいます。
活動内容を「高度学術研究活動」「高度専門・技術活動」「高度経営・管理活動」の3つに分類し、「学歴」「職歴」「年収」などの項目ごとにポイントを設けており、状況に応じてポイントが付与されます。
このポイントが70点以上に達した外国人人材は「高度外国人材」として認められます。
「高度外国人材」は、出入国管理局と内閣府それぞれが定義しています。
入管による定義
入管が定める「高度外国人材ポイント制度」(※後ほど詳述)で、「学歴」「職歴」「年収」「年齢」「その他のボーナス」を点数化した結果合計が70点以上、かつ在留資格「高度専門職1号」「高度専門職2号」を取得した外国人労働者。内閣府による定義
高度人材とは、「国内の資本・労働とは補完関係にあり、代替することが出来ない良質な人材」であり、「我が国の産業にイノベーションをもたらすとともに、日本人との切磋琢磨を通じて専門的・技術的な労働市場の発展を促し、我が国労働市場の効率性を高めることが期待される人材」
つまり「高度外国人材」は、専門的な技術や知識を海外から受け入れて、日本が発展するために必要な外国人材といえます。
高度人材の認定件数
法務省などの通知によると、高度外国人材の認定件数は2017年時点で、10,572件となっています。
この認定件数は、目標値(2020年末までに1万人)を達成しており、さらなる目標値(2022年末までに2万人)の達成に向けて認定件数は増加しています。
認定された高度外国人材の多くは、引き続き日本で就業を続けており、定着化が進んでいます。
これらの人材の多くが、日本の就業環境・生活環境に関して満足しているということが、ヒアリングによってわかっています。
高度外国人材の3つの活動類型
法務省により、高度外国人材の活動内容は3つに分類されています。
①高度学術研究活動 日本の公私の機関との契約に基いて行う研究、研究の指導又は教育をする活動 ②高度専門・技術活動 日本の公私の機関との契約に基いて行う自然科学又は人文科学の分野に属する知識又は技術を要する業務に従事する活動 ③高度経営・管理活動 日本の営利を目的とする法人等の経営を行い又は管理に従事する活動
1. 高度学術研究活動「高度専門職1号(イ)」
研究所での研究、研究の指導や教育などの活動のことです。
法務省の入国管理局のホームページによれば、「本邦の講師の機関との契約に基づいて行う研究、研究の指導又は教育をする活動」のことです。2. 高度専門・技術活動「高度専門職1号(ロ)」
自然科学・人文科学の知識や技術が必要とされる活動のことです。
自然科学とは、生物学、科学、物理学などの自然界の現象に関すること。人文科学とは、哲学、心理学、歴史学などの人間に関することです。
法務省の入国管理局のホームページによれば、「本邦の公私の機関との契約に基づいて行う自然科学、人文科学の分野に属する知識、技術を要する業務に従事する活動」のことです。3. 高度経営・管理活動「高度専門職1号(ハ)」
社長や役員など、会社の経営に携わる活動のことです。
法務省 入国管理局のホームページによれば、「本邦の公私の機関において事業の経営を行い、または管理に従事する活動」のことです。
在留資格「高度専門職」は1号と2号に分けられます。「高度人材2号」は1号からしか変更できません。つまり必ず全員「高度人材1号」を経ることになります。
「高度専門職」の在留資格を取得できると、一般の就労系在留資格とは違い優遇されていることがあります。
高度専門職1号の優遇措置
①複合的な在留活動の許容
②在留期間「5年」の付与
③在留歴に係る永住許可要件の緩和
④配偶者の就労
⑤一定の条件の下での親の帯同
⑥一定の条件の下での家事使用人の帯同
⑦入国・在留手続の優先処理
高度専門職2号の優遇措置
①「高度専門職1号」の活動と併せてほぼ全ての就労資格の活動を行なうことができる
②在留期間が無期限となる
③上記3から6までの優遇措置が受けられる
高度人材ポイント制の注意点
高度人材ポイント制にも注意点があります。
高度人材ポイント制では、高度外国人材が転職する際に「もう一度ポイント計算からやりなおす」必要があります。再計算されたポイントが基準(70点)を下回れば高度外国人材の認定から外れるため、高度外国人材の転職は手間とリスクがかかるのが難点です。
あらかじめ短期の有期契約であることがわかっている場合は、高度人材ポイント制ではなく、他の在留資格を検討したほうが有利といえるでしょう。
単純労働はNG
「高度専門職」の外国人は、単純労働の従事が禁止されています。
単純労働に分類されている仕事は2種類あります。ひとつは、職業訓練を受けていなくてもできる仕事、たとえば、チラシ配りやベッドメイクの仕事です。もうひとつは、政府が定義したいわゆる単純労働者が従事する業務。例えば、飲食店での調理や接客、店舗管理の仕事です。
単純労働をさせてしまうと、企業が不法就労助長罪に問われ、最長3年の懲役、最大300万円の罰金が科される可能性があるので、注意してください。
高度外国人材の雇用方法
高度外国人材を獲得するため募集方法を紹介していきます。
インターネット募集
インターネットを活用することで、国外からの応募が可能になります。高度外国人材が日本企業の情報にアクセスしやすくするための方法です。
高度外国人材向けの情報をまとめた就職情報サイトも多数存在しています。
説明会
高度外国人材が日本企業の採用担当者に直接会って情報交換ができるので、いい機会になります。各企業が行う説明会のみならず、高度外国人材向けの就職フェアも数多く実施されています。
大学との連携
キャリアセンターなどの大学の採用に関する部門との連携により、企業が求める象により近い人材を見つけることができます。
また、インターンシップを活用することにより、時間をかけてお互いを知っていき、採用につなげるという方法もあります。
公的機関との連携
ハローワークなどの公的機関でも、高度外国人材の求人情報を取り扱っています。
また、雇用に関する相談、インターンシップの支援など、高度外国人材の採用を支援する体制も整っています。
海外での採用活動
海外でのジョブフェア、海外の大学での会社説明会を開くなどの方法があります。
優秀な人材を直接採用できるというメリットがあります。
株式会社富士通総研(厚生労働省委託事業)が行った、高度外国人材に対するアンケート調査において、日本企業に就職しようとする際に役立った媒体のランキングがこちらです。
1位 個々の会社のホームページ(日本語)
2位 就職情報サイト
3位 日本国内で行われた個々の会社が行う会社説明会
という順位になっています。
1位、2位はインターネットを通じて国内外からの応募が可能な点、3位は企業の担当者と直接会うことが効果的であったと考えられます。
日本企業で働きたい人たちが求める情報に、いかにアクセスさせるかが重要であると言えます。
まとめ
高度外国人材ポイント制と、雇用方法について簡単ですが説明させていただきました。
詳しい内容や、実際に雇用する際にお困りでしたらお気軽にSELECTにお問い合わせ下さい!
外国人雇用に関してサポートさせていただきます!
些細な質問などでもお待ちしております!
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