03/30 (火)更新
日本がベトナム人から人気の理由は?
日本の少子高齢化による労働力人口の減少問題は深刻です。
そこで外国人労働者をどんどん採用していく政策が政府や企業で始まっています。
2025年には団塊世代が高齢化を迎えるということもあり、その動きは活発です。
様々な国から若い外国人労働者が日本に働きに来ていますが、その中でもベトナム人が多いのが特徴です。
なぜベトナム人労働者は企業にそれほど集中して選ばれているのでしょうか?
日本で働くベトナム人労働者の増加
ベトナムは日本の外国人労働者の中で中国に次ぐ第2位をしめ、その数は316,840人です。調査によると、日本でのベトナム人労働者数は前年の21.7%増と、近年急速に増加しています。
2017年10月の厚生労働省の統計によると、ベトナム人従業員の割合は18.8%を占め、日本での外国人労働者の受け入れで2位にランクされています。
中国:372,263(29.1%)
ベトナム:240,259(18.8%)
フィリピン:146.798(11.5%)
日本で働く外国人労働者数は、2019年までの過去5年間で87万人増加し、倍増しました。そのうち半数近くがベトナム人の増加となっており、2019年には首位の中国に迫るまでになりました。外国人労働者の4人に1人はベトナム人が占めています。
何故ベトナム人は日本で働きたがるのか
なぜベトナム人は日本で働きたがるのでしょうか?
技能実習や留学のために時には借金までして日本に来て働く理由は、日本とベトナムの所得格差です。
ベトナム統計総局による2018年版ベトナム家計生活水準調査報告書では、ベトナムの1人当たり月間平均所得は387万ドン(約170ドル、約18,000円)となっています。
首都ハノイ市や最大都市のホーチミン市をみても、590万ドン(約259ドル、約28,000円、ハノイ市)、635万ドン(約278ドル、約30,000円、ホーチミン市)となっています。
一方、日本では、20~24才の男性で平均年収が284万円(2018年、国税庁民間給与実態統計調査)であり、月平均では約24万円となっています。
ベトナムでは、海外で働くベトナム人から家族への仕送りがベトナム経済の一部を支えており、政府としても労働者輸出国を目指し、海外への労働者送り出しを促進しています。
8~13倍になる日本との所得格差によって、これからも日本へ働きに出るベトナム人は増えていくと考えられます。
ベトナムの地方には仕事がない
ベトナムの地方少し前まではVISTAやネクストチャイナなんて言われてもてはやされたベトナムですが、ベトナムの地方には現在あまり仕事がなく、多くの若者が都市部に出稼ぎのために国内移住します。
日本を含めた海外への出稼ぎ労働を考える人も少なくありません。
そういったベトナムの地方の若者の現状と、中国人から日本の技能実習制度が不人気になってしまい、ベトナムからの採用を増やしていることもあって、より多くのベトナム人が技能実習制度を使って来日しやすい環境が整っていることからベトナム人が街で目立つようになってきています。
技能実習生の大半が田舎出身の非大卒です。20代の男性・女性が日本に仕事と高い給与を求めて外国人技能実習生として来日しています。
ベトナムは日本文化が受け入れられている
ベトナム語で「新しいものに換える」を意味する「ドイモイ」以降、ベトナムでは日本のアニメや漫画が根付いてきました。そのため、ベトナム人にとっては子どもの頃から日本文化に親しみがあるのです。
ドイモイとは?
ベトナム共産党が1986年から行った刷新政策のこと。市場メカニズムや対外開放政策が導入され、経済面でほどなく大きな成果を挙げた。中国でかつて鄧小平が始めた改革開放政策に相当する。
現代のベトナムでは「ドラえもん」や「名探偵コナン」など日本の漫画カルチャーが広く受け入れられています。いくつもの少年漫画・少女漫画がベトナム語で出版され、さらに往年のドラマ「おしん」もベトナムで放送されたことで、日本人の勤勉さを美徳として印象づけました。
また、高品質で壊れにくいとして、日本の電化製品や自動車、オートバイは依然として人気が高くなっています。近年では、日本製のウォッシュレットがベトナムの富裕層に流行するなど、身近に日本製の商品があることで親日感情を抱きやすいそうです。
このように日本文化に触れる機会が多いことから、技能実習制度を活用して日本で働きたいと思うベトナム人が多いのです。
ベトナム人は日本人と性格が似ている
日本人とベトナム人の性格は非常に似ています。考えられる要因はいくつかありますが、どちらの国も国家宗教がなく、多くの人々が無宗教ながらも仏教・儒教の考え方が社会に浸透している、ということにあるのではないかと考えます。
たとえば、祖先への感謝、年長者を敬う、という考え方も日本人とベトナム人が共通して持っている概念です。控えめ、日和見主義、といった共通する性格も仏教・儒教の美徳に準ずるものではないかと思われます。
根本の性格や考え方が同じであれば、一緒に働く上で言葉の壁があっても、分かりあえる関係を築きやすいと考えます。
ベトナム人が日本で働きたい業界
1位:外食産業
2位:宿泊業
3位:飲食料品製造業
4位:介護業
5位:建築業、IT
7位:農業、その他
ベトナム人が日本で働くとしたら、外食産業・宿泊業が上位を占めています。母国語や英語、日本語を活かしながら働き、観光業に携わりたいという思いが背景にあるのでしょう。
日本で働くベトナム人の給料
調査してみた結果、ベトナム人の給料はやっぱり日本人よりは少し安いです。
とはいえ、めちゃくゃ安いというわけではありません。贅沢しなければ日本で生活できるし、貯金できるくらいもらっています。
システムエンジニア
SE(システムエンジニア)。日本でSEとして働くベトナム人は多くプログラミング言語は英語ですし、外国人でも働きやすい環境です。
下記のようなベトナム人SEで、手取り25万円くらいです。残業が多い月には残業代が入るそうです。
・年齢は25歳
・日本に住んで2年
・簡単な日本語は話せる
工場勤務
工場勤務。SEと同じくらい多いのが、工場で働くベトナム人です。
ベトナム人は真面目で、手先が器用なので工場勤務には重宝されるんですよ。特に女性は真面目という評判が多く聞きます。
下記のようなベトナム人が工場勤務で、手取り18万円くらいです。寮などは会社が用意してくれるケースが多いようです。
・年齢22歳
・日本に住んで1年
・簡単な日本語は話せる
ベトナム人が日本で働きたい理由まとめ
何故ベトナム人は日本で働きたがるのかを解説しましたがいかがだったでしょうか?
親日的な国民が多いベトナムですが、来日したベトナム人実習生の待遇や受け入れ態勢にきちんと気を使っておかないと、せっかくの好印象が失われてしまうかも知れません。
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