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07/09 (金)更新

外国人労働者も税金を納めないといけないのか?日本政府の思惑とは

近年日本国内には外国人の労働者が急激に増えてきています。

この外国人労働者達の納税はどのようなシステムになっているのかご存じの方はあまり多くないかと思います。

日本で働いて稼いだお金の税金は「日本」に納められるのでしょうか?

それとも労働者達の国籍の「外国」に納められるのでしょうか?

税金がどちらに納められるかは、これからの日本の未来にとって非常に重要な事なのです。

今回は外国人労働者達の税収について、そして外国人労働者を受け入れを増加させる事で日本にどのようなメリットがあるのかを説明します。

外国人労働者の納めるべき税金は?

国民の3大義務で『納税の義務』は憲法で定められています。

外国人は日本国籍がないため「国民」ではないという見方もあります、また母国に国籍があるので母国に税金を納めなければいけないのではないかという考えの方もいらっしゃるかと思います。

結論として『日本に在留する外国人』は全て日本への納税の義務があります。

日本で生活する外国人労働者はもちろん、短期間だけ働くために来日した外国人も、日本で働いて収入を得た場合などには日本に税金を支払わなければいけません。

日本で生活する外国人労働者が納める必要がある主な税金は、「所得税」と「住民税」2つになります。

外国人が納める所得税とは

税金は国税と地方税の2つに区分されますが、国税の中でも所得にかかる税金が所得税です。

外国人に対する所得税の基準は日本国内に住所を持っているか、日本国籍かどうか、どのくらいの期間住所を持っているか、という区分により決められています。

居住者とは『日本国内に住所があるか又は現在まで引き続いて1年以上居所がある個人』をいいます。

わかりやすく在留期間で区分すると、1年以上の在留期間を持つ外国人は居住者、1年未満は非居住者として分けることができます。

また居住者の内、日本国籍がなく、過去10年以内に日本国内に住所を持っていた期間が合計5年以下の者が非永住者、それ以外は永住者に区分されます。

この居住者・永住者の外国人は、日本人社員と同様に年末調整を行う事が可能です。

基本的に「技能実習」「特定技能」「高度人材」いずれの在留資格を取得している外国人は、日本に居住しているので日本に税金を納める必要があります。

外国人居住者が納める住民税

上記で説明した所得税と同じく、住民税も外国人の区分によって納める金額が変わってきます。

在留外国人の中でも、永住者・居住者は住民税を支払う必要があります。

住民税の税率は自治体ごとに異なりますが、永住者の場合は全ての所得、居住者の場合は国内の所得と海外から国内に支払われた所得に課税されます。

ただし、居住者の場合でも前年度の所得が33万円以下の場合は、非課税となります。

また住民税は前年の所得に対して課税されるので、日本に来た最初の年は住民税を支払う必要がありません。

留学生等の短期滞在者も税金を納めるの?

「外国人留学生」場合は短期の留学と長期の留学に分かれます。

1年以上の長期間の留学生の場合は居住者に該当するので、「資格外活動許可」で働いた分の税収は他の外国人労働者と同じように課税されます。

ただし、研修ビザで来日した研修生は、実際の収入が入国時に申告した研修手当を超えない場合には課税されません。

短期納税者免税制度とは?

また短期の留学生の場合は、「短期納税者免税制度」に分類されます。

非居住者の場合、所得税の税率は20%となるのですが、場合によっては免税となることがあります。外国人の出身国と租税条約が締結されていることが前提であり、次の3つの要件を満たすことが必要です。

免税になるには以下の要件を満たしている場合は短期納税者税が免除となります。

①滞在期間が183日以内であること
②雇用者が非居住者であること
③雇用主が給与などを費用処理していないこと

基本的には日本で働いていて住所を持っている外国人の場合には、日本人とほぼ同等に税金が発生します。

「短期納税者免税制度」に分類される非居住者の場合には税金が発生しないこともあるため、しっかり確認する必要がありそうです。

短期滞在者の住民税

日本に入国して住所を持たない、1年未満の非居住者である場合は、住所がないため住民税を納付する必要はありません。

しかし不動産を所有している非居住者外国人は、住民税のうち均等割のみ負担する必要があります。

税金を滞納するとどうなるのか

税金を滞納すると、外国人にも日本人と同じペナルティを課せられます。

そして最悪の場合は給与・預貯金・自動車・不動産などを差し押さえられて強制徴収される恐れがあります。

基本的に会社勤めをしている場合、税金は給与から引き落とされるので滞納の心配はありませんが、アルバイトの場合はうっかり払い忘れてしまう可能性があるので注意してください。

まず、所得税を滞納してしまい法定期限内に納められない場合、延滞税がかかります。

この延滞税は支払いが遅ければ遅くなるほど、確定している税金は早く支払うに越したことはありません。

住民税を滞納すると、まず督促状が届き、その後電話や戸別訪問で支払いを促されます。

滞納分を支払うのが困難な場合

もし仮に生活が苦しくて税金を支払う事が困難な場合は、黙って滞納するのではなく市区役所・町村役場の窓口に相談しましょう。

事情を説明して妥当性が認められた場合、分納や減免に応じてもらえる可能性があります。

日本の財政を救うのは外国人?

ここまで外国人が日本に支払う税金やその注意点について説明してきましたが、この外国人が支払う税金こそが今後の日本を救う大きな鍵となるのです。

2015年から日本政府は外国人労働者・外国人留学生ともに受け入れを大幅に強化しています。

受け入れの強化をしている理由としては、日本の今後の未来を見越した政府の思惑が背景にあるのです。

人手不足による国内税収の不足

まず少子高齢化になる事で引き起こされるのが、日本全体の人手不足です。

若手人材が減り、高齢者が増える事で各産業で労働力の不足が起こります。

2025年には約600万人の人手不足になる事が予測されており、現在に比べて全ての分野で2倍以上の人手不足が引き起ります。

そして労働力の不足は日本産業を衰退させるだけでなく、現在の日本の体制そのものが崩壊してしまいます。

この労働力が減ると日本の国内総生産や経済成長率の鈍化し、税収が下がる事によって国民を支える社会保障費の不足などの問題が発生します。

日本の社会保障制度の仕組みは、若い世代が税収を収めて、その資金により高齢者を支える構図になっています。

なので今後の若い世代の労働力の不足により、高齢者を支える為の税収を集める事が出来なくなるので、現状の日本の体制が崩壊してしまうのです。

外国人労働者の受け入れで税収の改善

ただ外国人の労働者や留学生を受け入れる事によって、この社会保障制度の仕組みを支える事が出来るのです。

外国人達は日本で働いた分だけ他の日本人労働者と同じように税金を納めるので、少子高齢化により不足していた税収の補填が外国人達によって賄えます。

『人手不足の解消』『不足している税収の補填』これらの改善を行う為に日本政府は数年前から外国人の入国に力を入れていたのです。

また外国人労働者の受け入れによって、国内での『グローバル化・多言語化』が進みますので外国人の観光客の増加させる為にも、良い効果をもたらします。

まとめ

最近になり常日頃から外国人の姿を目にする機会が非常に増えてきたかと思います。

ただおそらく『何となく増えているな』と感じていただけで、その理由を知らなかった人は多かったのではないでしょうか?

身の回りで働いている外国人の存在が日本の未来を救う鍵となるのです。

この外国人の労働者と共存共栄を計っていく為にも、お互いに歩みより理解していく事が必要ではないかと思います。

 

 

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