07/09 (金)更新
日本政府が外国人留学生の就職を支援!留学生が日本にもたらす影響とは
文部科学省の外国人留学生在籍状況調査によると、2020(令和2)年5月1日現在の外国人留学生数は279,597人「対前年比32,617人(10.4%)減」でした。
前年に比べてコロナの影響により海外からの留学生が減っているものの、5年前の2015年と比較すると約80,000人ほど日本に入国している留学生の数は増えており、ピーク時の2019年には312,214人の外国人留学生が日本に入国しています。
日本の風習や食事、アニメなどの文化が海外に認知されて人気を得ていることが、増加の理由の1つになります。
2つ目の理由は日本の国費を使用し、優秀な外国人の学生を日本に呼び寄せている事が原因です。
年々国費を使用して入国する留学生は増加し、経済成長にともない、あわせて私費留学も増加しました。
なぜ日本は国費を使用して外国人を日本に留学させる事に力を入れているのでしょうか?
その背景には日本政府の今後の未来を予測した施策が関係しているのです。
留学生の受け入れ状況
日本の外国人の受け入れ状況としては、中国人の留学生の受け入れが最も多く11万4950人になります。
これは外国人留学生の全体の4割弱を中国人留学生が占めています。
また出身地別に見ると、留学生数が多い上位10カ国は全て「アジア圏」に該当しています。
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また出身地域別留学生の割合については、アジア地域からの留学生が全体の「93.4%」を占めています。
つまり日本の国費を使用して、日本に呼び寄せている外国人留学生のほとんどが優秀な中国人の留学生という事になります。
「留学生30万人計画」
政府は2008年から、ヒト、モノ、カネ、情報の流れを拡大する「グローバル戦略」を展開する一環として、2020年までに留学生受け入れ30万人を目指すという大幅な増加計画を進め初めました。
結果コロナ禍の深刻な影響により、2020年の留学生は279,597人と、30万人に到達する事が出来ませんでした。
ただ前年の2019年には312,214人の外国人留学生の受け入れを行う事に成功したので、30万に超えを継続する事は出来ませんでしたが、当初の計画よりも1年早く目標を達成する事が出来たのです。
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留学生の資格外活動により人手不足が解消
日本に留学している外国人の学生は、よほど裕福でない限り日本での生活費を稼ぐ為にアルバイトをしなければ生活が出来ません。
また日本としても国内の人手不足を補填する為に、外国人の留学生を使って補填を行いたく考えています。
ただ原則として大学や語学専門学校に通う留学生の取得している在留資格では、就労する事が出来ません。
そこで登場するのが「資格外活動許可」です。
この資格外活動許可とは、留学生の場合学業に差しさわりが出ない範囲でアルバイトを認めますという事です。
「資格外活動」で働ける時間
資格外活動の許可が出た場合でも、無限に働ける訳ではありません。
具体的には留学生の場合以下になります。
1週間の就労時間
外国人の留学生が資格外活動で働く事の出来る、1週間の就労時間は28時間以内と定められています。
また「夏休み」や「冬休み」等の長期休業期間中は1日8時間まで就労する事が可能です。
日本での就職活動の現状
日本政府は2021年5月14日(金)の検討会で、外国人留学生の日本就職率を引き上げることを目的に、国内就職促進に向けた支援を実施していることを明らかにしました。
日本政府の調べでは、外国人留学生の65%は日本国内での就職を希望しています。
日本政府の外国人の国内就職率は50%を目標にしています、しかし実際の就職率は37%にとどまっているのが現状です。
留学生の就職率の低下の原因
外国人にとって特に日本での就職活動は非常に難しいと言われています。
それは日本では独自の就職活動形態の存在があるからです。
外国人留学生は日本の新卒採用の文化を知らない人が多いですし、外国人学生には理解しがたい部分が多々あるといわれます。
日本人にとっては当たり前の、企業応募やエントリーから内定に至るまでのプロセスの複雑さは、往々にして外国人留学生にとっては戸惑いの要素になっているようです。
日本政府が調査した結果、留学生の就職率が下がっている原因として、政府は留学生に向けた就職情報が不足している、外国人留学生向けの求人が少ないことを挙げています。
外国人が就職するための情報が不足し、十分な就職活動につなげられずに母国に帰ってしまう留学生が非常に多くいるのです。
その他にも外国人の留学生が就職を希望している、大手企業やグローバル化に重点を置いている企業では能力試験の実施や企業分析をしっかりと行う必要があるので少し留学生にとっては不利な状況といえるでしょう。
ハローワークとの取り組み
外国人留学生の国内就職率の改善に向けて、「大学」と「ハローワーク」が連携協定を締結し、留学早期からその後の就職・定着に至るまで一貫してサポートする取り組みを実施し始めました。
【入学後すぐに就職活動案内を実施】
独特の就活スケジュールや日本企業の採用形態など、「日本の就職活動のイメージ」を出来るだけ早いタイミングで持ってもらう。
【1~2年生】
日本の文化に慣れてきた後に就職ガイダンス、留学生OBによる座談会、企業文化などを実施。
これにより日本の学生よりも早い段階から企業の情報収集や、企業のピックアップを行う。
【3年生】
●インターンシップ
●業界研究・企業説明会
●OB・OG訪問
●ES対策・履歴書の書き方、模擬面接
早期からの企業情報の収集により、日本の学生に遅れを取る事なくインターンシップや模擬面接に力を入れてさせ、就職活動が長期にならないようにサポート。
ハローワークと大学が協力し、外国人の留学生が就職活動に戸惑う事なく、スムーズに活動できるようにサポートを行っています。
では何故、日本政府やハローワークが力を入れて外国人の留学生を日本に就職させようとしているのでしょうか?
それは留学に来ている外国人の優秀な学生を日本に定着させる事で、日本に大きなメリットがあるからなのです!
留学生が日本にもたらすメリットとは
日本は国費を使用してまで、外国人留学生を呼び寄せ、国をあげて外国人の留学生の就職を支援している大きな理由は、今後の日本の技術進歩を高める為に外国人の留学生の雇用が、国にも日本企業にもメリットをもたらすからなのです。
日本企業が複数の言語を操れる留学生の受け入れを行う事で、日本企業のグローバル化へ拍車がかかり、海外企業との連携が必須要素となってきた日本企業にとっては、より効率的にスムーズに連携を取っていくことが可能になりますし、企業が海外への展開を検討している場合にも先駆けとなる存在になります。
また日本企業に外国人が就職しなかった場合でも、日本に留学をして日本語をができるようになった人材は、母国の企業に就職する際に、自国と日本の懸け橋になるような活動をする傾向があります。
これにより母国とのビジネスや国際協力関係への発展が期待できるので、日本の経済界にもプラスになると言えるでしょう。
そして日本の国費で留学を行う留学生は、自国の政府機関で働く傾向もあります。
日本の国費で勉強をするチャンスを得た優秀な人材は「親日派」として、政財官学界に影響を及ぼし、外交にも有効に機能することが期待されている事から留学生の受け入れが促進されているのです。
まとめ
何気なく増えてきていると感じていた、外国人の留学生や企業で働く外国人の存在も実は日本の今後にとって非常に重要な意味があり、発展に貢献してくれていたのです。
現在グローバル化している企業や、今後海外への進出を検討している企業の採用担当者様は是非外国人人材の雇用を検討してみてはいかがでしょうか?
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