03/29 (月)更新
新しく認可された特定技能とは?雇える職種・雇用の仕方を解説します!
これまで日本では原則として移民政策を行っていないので、外国人の単純労働は禁止されていました。
しかし昨今の深刻な人手不足に対応するため、2019年4月より約14業種での「相当程度の知識または経験を必要とする技能」に関しては単純労働分野でも業務に従事することが認められました。
そこで登場するのが「特定技能資格」になります。
この「特定技能資格」とは何が出来るのか?どういう条件が必要なのか?
こちらを徹底解説していきます!
日本の現状
この「特定技能」という在留資格が新たに認可された大きな理由としては、日本の労働力の減少が背景にあります。
生産年齢人口の推移図
参照:日本の将来推計人口(平成29年推計) | 国立社会保障・人口問題研究所
このように日本での、労働力減少の増加に伴い、一定のルールの元で外国人の就労を認める在留資格の創設が認可された事により「特定技能」という枠の資格が新たに生まれました。
特定技能資格は、国内で特に充分な労働力を確保出来ない14分野の「特定産業分野」で就労する事が出来る資格です。
この特定産業分野の指定により、今までは外国人が就労する事が出来なかった、単純労働とみなされる、製造業や現場作業等の分野でも特定技能の枠として就労することが可能になりました。
特定技能とは?
特定産業分野に指定されている業種に就労する事が出来る資格を特定技能といいます。
特定技能として働く事が出来るのは、以下の14業種になります。
介護 | ビルクリーニング | 素形材産業 | 産業機械製造業 | 電気・電子情報関連産業 | 建設業 | 造船・船用工業 |
自動車整備業 | 航空業 | 宿泊業 | 農業 | 漁業 | 飲食料品製造業 | 外食業 |
「2025年各業種の人手不足割合い」
参照:インテリジェンスHITO総合研究所「労働市場の未来推計」
近い将来にかけて人手不足が予想される「特定産業分野」に指定されている業種では、今のうちから自社で将来的を見据えた対策を行わなければ深刻な労働力の不足問題に陥る事になるでしょう。
その中で特定技能外国人を雇う事は、その場の労働力の不足を補えるだけではなく、長い期間で見た時にも日本人を雇用するよりも、よいという考えも出始めています。
何故よいと考えられているのでしょうか?
その理由は日本人と外国人の働き方によります。
日本人と外国人の大きな差は、特定技能を所有する外国人には在留期間があります。
この在留期間とは日本で就労可能な期間の事を指しています。
「特定技能の在留期間図」
特定技能1号 | 1年・6ヶ月又は4ヶ月毎の更新で上限5年 |
特定技能2号 | 3年、1年又は6ヶ月毎の更新で期限無し |
このように特定技能を持つ外国人が日本で働くことが出来る期間は決まっていますが、逆を言えば、ある日突然に退職してしまう日本人に比べると、在留期間の満期まで働き通す外国人が多いので唐突な人員不足や、その度々にかかってしまう採用コストの軽減になると考えて、多くの企業が雇用へと動き出しています。
特定技能と技能実習の違い
特定技能と技能実習は何か似ているような気がする。
「その違いは何なのか?」そう思われている人も非常に多くいらっしゃるでしょう。
この2つの資格の決定的な違いとしては、日本に受け入れる目的が異なっているのです。
技能実習の目的・趣旨としては、「国際協力の推進」です。
この「国際協力の推進」とは、技能実習生に会得させた、日本の技術や知識を開発途上地域で使用して、母国で経済発展をしてもらうことが目的にあります。
ですので、技能実習生が単純労働業務に就労出来ないのは、経済発展の為の知識を学ばせることなく労働の調整の手段として扱われない為です。
一方で特定技能は「労働力の確保」を目的にしており、日本国内で人材不足が深刻化している業種の労働力を増加させるための在留資格です。
なので、特定技能で対象となる業種であれば、広い範囲で労働を行えると共に、従来の技能実習生では出来なかった単純作業にも従事することが出来ます。
特定技能1号と特定技能2号
この特定技能の中でも「特定技能1号」と「特定技能2号」に資格の分類が分かれています。
1号と2号の大きな違いとしては
「特定技能1号」は相当期間の実務経験等を要する技能であり、特段の育成・訓練を受ける事なく直ちに一定程度の業務を遂行できる水準と定められており、「特定技能2号」に関しては特定技能産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人の資格になっています。
この2つはそれぞれ在留期間も、就労可能な業務も異なっているので、詳しくは⇒特定技能1号、2号とは?で説明しているのでご覧ください。
登録支援機関と特定技能所属機関
特定技能の雇用には「特定支援機関」と「特定技能所属機関」という2つの機関が深く結びついてきます。
一般的にはあまり馴染みのない言葉で、外国人の雇用を考えている企業の中には、両方を混同してしまっている人も非常に多くいらっしゃるのではないでしょうか?
どちらも特定技能外国人を雇用するにあたって必要な機関になりますが、2つの機関では役割りが全く役割が異なってきます。
登録支援機関
企業は特定技能の外国人を雇用する為には、外国人の支援計画書を作成する必要があります。
ただその支援計画書は一企業が自ら出すことが難しいので、受け入れ企業に代わり、支援計画の作成・実施を行っているのが登録支援機関になります。
特定技能所属機関
特定技能所属機関とは、外国人と直接雇用契約を結んでいる企業です。
この機関が派遣元となり、外国人と契約をする場合には、給与面が日本人と同等、またはそれ以上である事を保証する為、いくつかの基準が設けられています。
また特定技能所属機関で外国人との契約を締結しても、企業は特定技能外国人を雇用する場合には職場環境、日常生活、社会生活を支援しなければいけません。
このような支援を自社で行うのが難しい場合には、「登録支援機関」に委託することになります。
特定技能外国人の雇用
特定技能外国人を雇用する場合は、原則としてフルタイム、直接雇用のみが認められています。
ただ例外として農業や漁業に関しては、季節や地域による差が激しい為、派遣形態での雇用が可能です。
企業側の特定技能外国人の雇用の仕方としては大きく分けて4つの方法があります。
①現在外国にいる特定技能資格の保有者・試験合格者を採用する。
②日本国内にいる特定技能資格の保有者・試験合格者を採用する。
③自社の技能実習生に特定技能へ移行してもらう。
④自社の留学生アルバイトに技能試験と日本語試験に合格してもらう。
このように海外から外国人を呼ぶ方法と、国内で外国人を雇う方法があります。
国内外どちらとも、自社で直接外国人とやり取りを行うのは非常にハードルが高く、労力を使う作業になるので、人材派遣会社や登録支援機関に依頼する事をおすすめします。
本サイトSELECTでは全国各地に対応出来る、人材派遣会社や登録支援機関とも提携しておりますので、特定技能外国人の採用をお考えの企業様はお気軽にお問合せ頂ければと思います。
まとめ
新しく認可された特定技能の外国人を多く受け入れることにより、日本では様々な不安要素があるという声も上がっています。
ですがこの特定技能の外国人の受け入れは現在深刻な人手不足に悩んでいる業種の方々には、問題を打開する大きな鍵になると言えます。
今後の日本全体の人手不足を解決していく為にも、お互いが歩みより、共存共栄の考えを持って接することで新たな道筋が見えてくるのではないでしょうか。
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